アイデム写真コンテスト「はたらくすがた」2017年審査員講評

選考委員長

田沼 武能

写真家

2017年も全国各地より7,650点の作品が寄せられました。バラエティに富んだ働く姿はどれも力作ぞろいで、甲乙つけがたくもありました。

小学生部門は直感で撮影した、大人では撮れないような面白い視点の写真が多いですが、中学生部門では撮ることへの明確な意志が感じられる写真が増えます。高校生部門は部活動での取り組みが多く、被写体探しからプリントまで腕を競う写真が並びました。

小学生の部グランプリの作品は、保育園での一枚。表情が写っていないにもかかわらず、保育士の表情や子どもたちの様子からは、子どもたちが心から楽しんでいることが伝わってきます。小学生ならではの大胆な構図も評価されました。

中学生の部グランプリの作品は、寿司屋の大将の腕前が伝わってくる一枚です。お客さんと会話をしながらも手を動かし続けている様子が、店内の光景と共にいきいきと捉えられています。

高校生の部グランプリは、働く逞しい後姿です。大工の持っている木材が対角線上に美しく伸びており、振り向いた一瞬の表情までもしっかり写し撮っています。

私たち大人にとって働くことは日常ですが、子どもたちが目にする機会は限られています。近年労働に関する様々な問題を耳にすることが多くなっていますが、撮影を通じて「働く」ことの大切さを感じた子どもたちもいたのではないでしょうか。

今回撮影したときの気持ちを忘れずに、来年はさらに成長した目線での作品に出会えることを楽しみにしています。

選考委員
わだ ことみ
絵本・構成作家

第13回アイデム写真コンテスト「はたらくすがた」に、たくさんのご応募ありがとうございました。いつも、どんな写真に出会えるかなと、ワクワクしながら審査しています。

みなさんは、「はたらく」ってどんなイメージを持ちますか? コンテストに参加して、おうちの方が、みんなために頑張っている姿を見て「いつも、ありがとう!」という感謝の気持ちが湧いてきたと思います。写真を撮ることで気が付いたこと、心で感じたこと、いろいろありましたよね。

また、「はたらく」というのは収入を得るのはもちろん、誰かの役に立つということでもあります。農家の方でしたら、おいしい作物を届け、それを食べた方が、うれしくて笑顔になりますね。獣医さんでしたら、ペットの病気を治し、動物も飼い主さんも安心して笑顔になります。そしてその笑顔で、働いている方も、ほかの人の役に立てて、うれしくて笑顔になります。「はたらく」って笑顔がどんどん広がっていくことです。みんなが笑顔になったら、とっても素敵ですね。

小学生の部のグランプリの新藤君の作品、保育園の先生の笑顔がとてもよかったです。子どもたちの体や足からも「せんせい、だーいすき!」が伝わってきました。新藤君のコメントの「自分が大人になった時に、まず自分ではなく自分の子どもだったり、周りの人だったりを一番に考えられる人になっていたいです。」に、なんて素敵なんだろうと感動しました。

中学生の部のグランプリの中嶋さん。タイトルの「大将の神対応」もさすが!と感心しました。大将が、お料理を作りながらお客さんに心配りしていて、温かくて優しいお人柄がよく出ている、まさしく「神対応!」の笑顔です。

高校生の部のグランプリ、古橋さんの写真は大工さんです。対角線に伸びる木材が、ピーンと張りつめた緊張感と真剣さを表現しています。振り向いた表情が勇ましく、「ザ・大工」という感じでした。働くことってかっこいいなあ!と思わせる素晴らしい一枚です。

皆さんも、コンテストをきっかけに「『はたらく』って何だろう」と、考えてもらえるとうれしいです。

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