アイデム写真コンテスト「はたらくすがた」2016年小学生の部受賞作品

選考委員長

田沼 武能

写真家

本年も日本全国各地から地域、年齢、撮影背景などバラエティに富んだ作品が8,000点以上集まりました。

写真は時代を映す鏡でもあります。12年目を迎える本コンテストにしても、職種の変化やスマートフォンによる撮影の増加など、まさに時代の変化が見られました。誰にでもある程度撮影ができるようになったからこそ、綺麗なだけではなく切り取った瞬間や撮影対象者との関係性、構図など様々な視点を交えて作品を選びました。

小学生の部グランプリの原口さんの作品は、みかん作りをしている祖母が飛び切りの笑顔を見せており、演出では表現できない祖母と孫の関係性も表現されています。

中学生の部グランプリの山﨑さんの作品には、英語を子どもたちに教える母親が写っています。両手を上に伸ばした子どもたちの後姿や、その間から見える母親の表情は素晴らしく、先生と生徒の関係を鋭く、まさに瞬間を切り取った作品と言えます。

高校生の部グランプリの浦田さんのガラス工房はよくあるモチーフではありますが、一方で撮影が難しくもあります。表情やガラスの玉の大きさ、構図などどれをとっても素晴らしい光景をとらえた作品でした。

写真コンテストに参加するきっかけは年齢によっても様々だと思いますが、撮影を通じて、働くことへの情熱やその意義を感じたのではないでしょうか。撮影した皆さんが社会で活躍する頃には、新たな職種がたくさん生まれているかもしれませんが、働く意義や情熱は変わりません。このコンテストが、将来の仕事やどのように働きたいか、思いを馳せる機会になることを願っています。

選考委員
わだ ことみ
絵本・構成作家

第12回アイデム写真コンテスト「はたらくすがた」に、ご応募ありがとうございます。どれも素晴らしい写真で、とても楽しい審査でした。題名や作文からは、写真を撮っている時の皆さんの様子や気持ちもよく伝わってきました。

コンテストに応募するために、色々な方に協力をしてもらったと思います。例えば「お母さんの働く写真を撮りたい」と思ったら、まず、お母さんの仕事の都合を聞きますよね。仕事の場所に入り、撮影するので、働いている職場の方の許可も必要です。また、実際に写真を撮る時間を約束したり、協力をしてもらったりします。1枚の写真を応募するにも、周りの方との関わり合いが大切です。「はたらく」ということは、もっとたくさんの方との関わり、協力があって成り立っています。

小学生の部の原口ひなたさんの作品からは「愛情」を感じました。暑い日も、雨の日も、どんな日でも、大切にみかんを育てるおばあさんの愛情。そして、ひなたさんを見つめる優しい愛情がおばあさんの笑顔になって溢れています。写真を撮りながら、おばあさんの温かな愛情をしっかりと感じ取っているひなたさん、とても素敵ですね。

中学生の部の山﨑ランサム美登里さんの作品からは、「楽しさ」を感じました。小さい子どもたちに英語を教えているのは美登里さんのお母さんです。思いっきり両手をあげているお母さんは、とっても楽しそうで元気いっぱい。教わる子どもたちにも、その楽しさが伝わっているのですね。一緒に手をあげている後ろ姿も元気いっぱいです。美登里さんの作文の「それぞれの思いが重なって、通じ合う瞬間」が切り取られた1枚です。

高校生の部の浦田怜那さんの作品からは、「熟練」を感じました。ガラス工房で暑い中、真剣にガラスに息を吹き込み、それが作品になっていく1コマです。何年にも亘って積み上げてきた熟練の技と、真剣なまなざしと緊張、そして、怜那さんのシャッターチャンス、全部がそろった瞬間の写真です。

この写真コンテストをきっかけに、皆さんのために働いている家族の方に「いつもありがとう!」の感謝の心を持ち、新しいことにどんどんチャレンジしてください。

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