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新卒社員の早期離職を防ぎ、定着・戦力化を図るために必要なコト

育成ノウハウ

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せっかく採用した人が、すぐに離職してしまうのは企業にとって大きな損失です。時間と労力と費用をかけて採用しても、すぐに辞められてしまったら元も子もありません。

近年、新卒者が入社後に希望の仕事につけない「配属ガチャ」を理由とする早期離職が問題化しており、新卒採用でも職種別採用を設ける企業が出てきています。少子高齢化や生産年齢人口の減少などによる人手不足という背景もあり、新人や若手の早期離職は、さまざまな業界や規模の企業が抱える深刻な課題になっています。

なぜ、早期離職は起きてしまうのでしょうか。離職率が高い現状や早期離職の原因をみながら、離職防止の考え方や施策について解説していきます。

Index

入社3年以内の離職率、大卒は毎年10%超

厚生労働省は、新卒者の早期離職について調査を行っています。最新の調査結果(『新規学卒就職者の離職状況』2024年10月発表)によると、2021年3月卒業者の入社3年以内の離職率は中卒者50.5%(前年比2.4ポイント減)、高卒者38.4%(同1.4ポイント増)、短大卒等44.6%(同2ポイント増)、大卒者34.9%(同2.6ポイント増)でした。これを学歴ごとに入社年数別に見ると、下記のようになります。

【入社3年以内の離職率】
・中卒者 50.5%(1年目31.4%、2年目11.1%、3年目8.0%)
・高卒者 38.4%(1年目16.7%、2年目12.2%、3年目9.4%)
・短大等卒者 44.6%(1年目18.5%、2年目14.1%、3年目12.0%)
・大卒者 34.9%(1年目12.3%、2年目12.3%、3年目10.3%)

中卒者、高卒者、短大等卒者は1年目の離職率が最も高く、1年目が特に大切であることを示す結果となっています。一方、大卒者は1年目と2年目は変わらず、3年目も10%超です。定着には継続的な取り組みが求められますが、大卒者には特にそれが必要とされているかもしれません。

なぜ、早期離職するのか?

新卒者が早期離職してしまう理由は何でしょうか?
2017年の『子供・若者の意識に関する調査』(内閣府)
<https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/13024511/www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/ishiki/h29/pdf-index.html>
によると、最初の就職先を離職した理由の最多は「仕事が自分に合わなかったため」43.4%、次いで「人間関係がよくなかったため」23.7%、「労働時間、休日、休暇の条件がよくなかったため」23.4%となっています。

【最初の就職先を離職した理由上位3】
・「仕事が自分に合わなかったため」43.4%
・「人間関係がよくなかったため」23.7%
・「労働時間、休日、休暇の条件がよくなかったため」23.4%

<出典>
2017子供・若者の意識に関する調査(若者の就労などに関する意識を把握し、各種施策の企画立案に資するために16~29歳以下を対象に実施)

上記3つの離職理由を大きなくくりにすると、仕事内容(仕事が自分に合わなかった)、職場環境(人間関係がよくなかった)、労働条件(労働時間、休日、休暇の条件がよくなかった)に分類できます。ほとんどの離職理由は、3つのうちのいずれかの不満に起因しています。それぞれについて、新卒者が辞めたくなる不満や不安を具体的に挙げてみます。

【仕事内容】
入社前に聞いていた仕事と違う、与えられた仕事に興味が持てない、やりがいを感じられない、自分の知識や経験を活かせない、ノルマがきつい、キャリアパスが見えない…など

【職場環境】
希望の部署に配属されなかった、上司が高圧的な態度をとる、同僚や先輩に相談できない、雰囲気が悪い、社員同士がいがみあっている、自分の意見を聞いてもらえない、社風になじめない…など

【労働条件】
入社前に聞いていた条件と違う、残業が多い、休みが取れない、給料が仕事に見合っていない、評価に疑問を感じる…など

離職防止は、上記に挙げたことを解消するための情報を発信したり、解決につなげるための考え方や心の持ち方、スキルなどを習得できたりするようにサポートすることです。

2024年新入社員動向調査

【新入社員アンケート】仕事を進める上で不安なこと(複数回答)

新入社員に仕事を進める上での不安について聞いたところ、最多は「言葉遣い」67.4%でした。次いで「電話応対」61.4%、「ビジネス文書(メール・報告書)の書き方」60.4%となっており、ビジネスマナーに関する項目が上位を占めています。また、「ストレスをコントロールする力」は大幅に増加した一方、「パソコンスキル」に対する不安は減少傾向にあります。

<出典>2024年新入社員動向調査(調査対象:アイデム新入社員研修受講者215人)

ダウンロード資料
【2024年新入社員動向調査 結果概要】

※これから身に付けたいスキル、どのような上司が良いか?会社に期待すること、仕事を進める上で大切にしたいこと…など全13項目/21ページ

選考時の離職防止~ミスマッチを減らし、定着率を上げる~

離職防止には2つのフェーズがあり、選考時と入社後に分けられます。
選考時の離職防止の基本は、リアリティショックの軽減です。リアリティショックとは、入社前に抱いていたイメージと入社後の現実とのギャップに衝撃を受けることで、早期離職の主な要因です。

リアリティショックを軽減する施策に、RJP(Realistic Job Preview)があります。直訳すると「現実的な仕事情報の事前開示」で、企業と求職者とのミスマッチを減らしたり、定着率の向上につなげたりするための情報開示のことです。企業が求職者に仕事内容や待遇などについて、よい面だけでなくネガティブな面も含めたリアルな情報を事前に開示することを意味します。アメリカの産業心理学者、ジョン・ワナウス氏が提唱したもので4つの効果が期待されています。

  1. ワクチン効果
    自社のよい面だけでなく、ネガティブな情報も伝えることで職場や仕事に対する過剰な期待を緩和する。
  2. コミットメント効果
    自社のことを率直に伝える姿勢は、誠実さをアピールすることになり、帰属意識や愛着を醸成する。
  3. 役割明確化効果
    選考時に会社が求職者に「何を期待しているか?」を伝えることは、「自分には何が求められているか?」を自覚してもらうことになる。それは、入社後にスムーズに適応できたり、働く意欲を醸成したりすることにつながる。
  4. セルフスクリーニング効果
    求職者に自社で働く現実を率直に伝えることは、求職者が「その仕事は自分に合っているか?」「その会社で働きたいかどうか?」を判断する大きな材料になる。それはミスマッチを減らすことになる。

RJPの具体策を、先述した退職理由の大きなくくりごとに挙げると、下記のようになります。大切なのは、会社の雰囲気や働くイメージをつかんでもらい、実際に入社したときに違和感がないようにすることです。

【仕事内容】
・求人サイトや自社メディアに、詳細な職務内容を記載する(よいところだけでなく、きつかったり、苦労するところも)
・社員のインタビューを動画で公開する(仕事のやりがいや大変な点などを聞く)

【職場環境】
・求職者に社内を見学してもらう
・選考とは別に、社員と交流できる機会を設ける

【労働条件】
・給与体系や福利厚生を伝える
・評価の仕組みや残業時間、休暇取得の実態などを公開する
・配属決定のプロセス、人事異動について説明する

2024年新入社員動向調査

【新入社員アンケート】仕事を進める上で大切にしたいこと(複数回答)

新入社員に仕事を進める上で大切にしたいことを聞いたところ、最多は「良好な人間関係」69.3%でした。次いで「プライベートの確保」48.8%、「ストレスが少なく安定した生活」46.0%となっており、「仕事のやりがい」が大幅に減っています。メンタル面の健康を重視した傾向にあると言えます。

<出典>2024年新入社員動向調査(調査対象:アイデム新入社員研修受講者215人)

ダウンロード資料
【2024年新入社員動向調査 結果概要】

※これから身に付けたいスキル、どのような上司が良いか?会社に期待すること、仕事を進める上で大切にしたいこと…など全13項目/21ページ

入社後の離職防止~不安を取り除き、力を発揮してもらう~

離職防止は、新卒者が入社した後も継続的に取り組んでいく必要があります。職場に定着し、力を発揮してもらうためです。入社後の離職防止ポイントは2つです。仕事をするためのマインドや基本スキルを身につけてもらうことと、日常的にフォローすることです。

まず、入社したら導入研修で、仕事をしていくためのマインドや基本スキルを身につけてもらう必要があります。具体的には社会人としての心構えやビジネスマナー、コミュニケーションの取り方などです。それは実際に仕事をする上での土台となり、働く不安を軽減することとにもつながります。

研修期間を終えた新卒者が職場に配属されたら、日常的にサポートしましょう。例えば、定期的に面談を行い、悩みや不安があったらアドバイスをしたり、問題解決の手助けをしたりします。また、新卒者のキャリア形成を考えておく必要もあります。会社としてキャリアパスを提示し、成長機会を提供できなければ、物足りなさを感じて離職を考える人が出てくるかもしれません。日常的に会社のビジョンや目標を共有し、帰属意識を高めたり、仕事へのモチベーションを醸成したりするのもよいでしょう。

新卒者が社内で人間関係を築けるように、コミュニケーションの場を設けることも大切です。人間関係は、定着に関わる重要なポイントです。ですが、仕事が終わった後に飲み会を開けばいいというものでもありません。お酒が苦手な人もいれば、仕事が終わった後はプライベートの時間を大切にしたいと考える人もいるでしょう。業務の中で1on1ミーティングを設けて定期的にコミュニケーションをとったり、ランチを一緒にとったりするなど、対象となる新人に合わせた方法を探ることが大切です。

新卒社員研修の意味と目的

せっかく採用した新卒社員は、会社の大事な資産です。入社時に研修を受けてもらうことで、配属先で円滑に業務を進めることができたり、早い成長につながったりします。新卒社員が早く会社になじみ、戦力となれるよう、企業はしっかりサポートしていく必要があります。

新卒社員に必要なのは、社会人としての心構え、ビジネスマナー、コミュニケーションスキル、仕事の進め方です。これらは仕事をするための土台で、まず身につけてもらう必要があります。

社会人としての心構えとは、自ら積極的に仕事に臨む姿勢です。そのためには、仕事の意義や目的をしっかり理解してもらう必要があります。ここが腑に落ちていないと、与えられた仕事をこなすだけになってしまうかもしれません。仕事の意義や目的を伝えることは、言い換えればやりがいを伝えることでもあります。
ビジネスマナー、コミュニケーションスキル、仕事の進め方は業務を円滑に進められるようにするために必要なことです。

また、困難な状況に陥ったときのために、レジリエンス(困難に適応する力。回復力、耐久力などと訳される)やメンタルコントロールなどのセルフマネジメントを知っておく必要もあるでしょう。誰でも仕事をしていればストレスを受けます。それは業務に伴う責任だったり、社内の人間関係だったり、取引先との折衝だったり、さまざまな形で遭遇します。セルフマネジメントは、その不安を軽減することができます。

アイデム新入社員研修

2005年より20年間で13,367社 延べ70,317人のお客さまにご利用いただいています。

アイデムの新入社員研修は、社会人として求められる4つのスキルを柱に構成しています。組織の一員として恥ずかしくない「ビジネスマナー」、職場の上司や先輩・顧客から信頼される「コミュニケーションスキル」、仕事を円滑に進めるための段取りと行動を学ぶ「仕事の進め方」、困難な状況に陥っても心を立て直せる「レジリエンス力」の4つが身につくアイデムオリジナルのカリキュラムです。

受講スタイルは座学ではなく、ディスカッションやロールプレイング、個別発表などの実践的なワークが中心です。頭で理解するだけでなく、実際に行動できるように徹底指導します。貴社の未来を担う新入社員を、しっかりとした社会人、戦力へと育てます。

開催は、東日本・西日本の2拠点で行っています。ご要望に合わせて2日間コース、3日間コース、集合研修(実際の会場でご受講)、オンライン研修(所有のパソコンやスマートフォンでご受講)など、さまざまなラインナップをご用意。貴社のご要望、実情に合わせた新入社員研修を作成し、貴社指定の場所へ講師を派遣するオリジナル研修(オーダーメイド研修)もございます。

詳細は⇒アイデム新入社員研修2025

ダウンロード資料
【2024年新入社員動向調査 結果概要】

<資料内容>

  • 全13項目の調査結果をグラフ化
    あなたが仕事を進める上で不安なことは何ですか?これから身に付けたいスキル、研修で期待すること、職場の雰囲気、どのような上司が良いですか?、会社に期待すること、仕事を進める上で大切にしたいこと…など
  • 調査結果の総括(アンケート結果から~新社会人の育成に必要なこと~)
    2024年の春に新社会人になった方々は学生時代、コロナ禍でさまざまな活動を縮小せざるを得なかった時間を過ごしてきました。授業がオンラインになったり、クラブやサークルの活動が制限されたり、アルバイトができなかったりした経験を持っているのではないでしょうか。そのため、複数人で談笑することになれていなかったり、学校の先輩やアルバイト先の店長など、例年以上に立場や世代の異なる人との交流に乏しかったりすることが考えられます…つづきは資料をご参照ください

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