こんにちは。採用から定着・戦力化まで、人材に関するあらゆるご支援をしておりますアイデムのライターチームです。
昨今、“採用広報”という言葉を耳にする機会が増えてきました。
採用広報とは、自社に興味を持ってもらうことを目的として、採用活動にも広報の要素を取り入れること。
言葉の広がりからもわかるように、今や採用活動を行う上で必須となってきています。
そんな採用広報において欠かせない要素の一つが、採用のキャッチコピー。
今回は、求職者に自社の魅力を伝え、認知度や志望度を向上させる採用キャッチコピーの作り方について解説します!
Index
- 採用のキャッチコピーとは
- 効果的なキャッチコピー作りの流れ
- 採用キャッチコピー3選
- まとめ
採用のキャッチコピーとは
「この会社で働いてみたい」
「企業カルチャーが自分に合っているかも」
「入社したら成長できそうだ」
そんな風に、求職者から強く興味を持ってもらうことが採用活動を行う際の課題の一つ。
そこで重要なのが、会社や仕事の魅力を一言で表す採用のキャッチコピーです。
採用キャッチコピーがもたらす効果
一般的に、以下のような項目が挙げられます。
- 会社の広報・宣伝
- 同業他社との差別化
- 求職者と企業とのマッチング度の向上
これらの効果を最大限発揮するためには、コピーアイディアそのものに独自性を持たせる必要があります。
キャッチコピーを通じて求職者に社風を伝え、会社や仕事内容のイメージを掴んでもらいましょう。
ただし、誇張しすぎてあまりにも実情とかけ離れてしまうのはNG。
入社後に違和感を与えてしまわないよう、自社の魅力を伝えつつ、実体が伴ったキャッチコピーを考えることが大切です。
効果的なキャッチコピー作りの流れ
「とはいえ、実際に考えるとなると難しい…」
そんな採用担当者に向けて、ここからは具体的なキャッチコピーの作り方をご紹介します。
順を追って見ていきましょう。

第1ステップ
採用のキャッチコピーを作るにあたり、まずは市場調査を行う必要があります。
その際、おすすめなのが《3C分析》という方法。
3C分析とは『顧客(Customer)』『競合(Competitor)』『自社(Company)』の3つの観点から分析を行うことを指しますが、採用キャッチコピーを検討するにあたっては『顧客(Customer)』を求職者と見立てます。

顧客(Customer、求職者)
まずは、求職者が企業を選別する際に何を気にするのか、どうやって企業を選ぶのかを考えます。
<チェックリスト>
- 求職者が自社を選ぶメリット
- 求職者が自社を見る上で気にする点
- 普段から自社はどのように見られているのか
採用する側に立つと、どうしても求職者目線がおざなりになりがちです。
企業広告なども同じですが、たとえば企業の広告宣伝部が作ったキャッチコピーが、社外の人からすると「何を伝えたいのかさっぱり分からない」というケースがあります。
求人広告のキャッチコピーを考えるにあたっても、求職者になったつもりで、求職者側の気持ちや気にするポイントを考え抜くことが大切です。
冷静な視点で分析し、良いことも悪いことも書き出してみましょう。
競合(Competitor)
次に、自社の競合企業がどのようなキャッチコピーを打ち出しているかを調べます。
競合他社の採用キャッチコピーや、その背景(=何を訴求しようとしているのか)を徹底的に洗い出していきましょう。
そして、各キャッチコピーに対して感じることを付箋に書き、マッピングしていきます。
例)
「良いと思った」
「訴求内容と言葉が繋がっていない」
「目を奪われる」
そうすると、競合他社の狙いや、狙いとずれているキャッチコピーが徐々に見えてきます。
これらは自社の採用キャッチコピーを作る際、非常に参考になります。
自社(Company)
次に、自社のターゲット選定に入ります。
「こういう《経験》があって」
「こういう《資格》《技術》を持っていて」
「こういう《人柄》で《年齢》は何歳で…」
など、具体的なところまで掘り下げてみましょう。
理想の人物像を明確にし、MUST(必須)要件とWANT(希望)要件に分けて考えていきます。
【例】
■ MUST要件
経験 | 社会人経験5年以上 |
---|---|
技術 | OJTのためある程度自分で動けること |
資格 | 資格はなくてもその資格と同等の経験があれば良い |
人柄 | 何事もスピーディーに理路整然と対処し、周りともすぐ打ち解けられるタイプ |
■ WANT要件
経験 | コンサル経験3年以上 |
---|---|
技術 | 携帯電話の電波基地関連の知識があること |
第2ステップ
ターゲット像の掘り下げができたら、その層が求めていると思われる条件(給与/福利厚生/環境など)をリストアップします。
その上で、自社が現状で競合に『勝てる要素』や『勝てない要素』を明確化しましょう。
自社の強み・弱みを明確にすることで、訴求するべき点が見えてきます。
参考
アイデムが2021年に実施したアンケート調査の中から、「印象に残っている求人募集の内容」として挙がった回答をご紹介します。
- 「『6年働いていただいた方が退職されることになり、6年ぶりの求人です』とあり、定着率の高い働きやすい環境なのかなという印象を持った」
- 「『この業界は大変ですがやりがいがある。命を扱うので一生勉強です。勉強しない人はウチには要りません』この言葉には感動した」
- 「『地球と共に』というキャッチフレーズに惹かれた。将来を担う子供たちのことも考えているのかなと思った」
- 出典:人と仕事研究所「転職活動に関するアンケート調査(2021)」
(「印象に残っている求人募集の内容」は全文データ内17ページに掲載しています)
第3ステップ(最終ステップ)
訴求内容を決めたら、いよいよ最終ステップ。
ここまでで明確化してきた以下の内容を落とし込みながら、求職者に寄り添ったキャッチコピーを作成します。
- 理想の人物像
- その層が求めていると思われる条件(給与/福利厚生/環境など)
- 現状の自社で競合に『勝てる要素』『勝てない要素』
「長すぎず短すぎない」「メリハリがある」ことを意識しながら考えていきましょう。
また、ひとつの手法として、『勝てない要素』をあえて自虐的にキャッチコピーにする企業も存在します。
求職者の目には“自社を自虐する余裕とユーモアのある企業”とうつり、企業カルチャーに共感する求職者を取り込める可能性があります。
一味違った広告を打ち出したい、という場合は視野に入れると良いでしょう。
採用キャッチコピー作成時の注意点
「結局何が言いたいのか分からない」
「採用とまったく繋がっていない」
「話題が欲しいだけ」
なんて思われてしまうキャッチコピーは逆効果。
「どれだけわかりやすく求職者に伝えられるか」を念頭に置いて、自社の魅力が適切に伝わるキャッチコピーを作っていきましょう。
採用キャッチコピー3選
最後に、採用に関連するキャッチコピーの例を3つご紹介します。

「つくっている時は、大人の顔になる。できあがった時は、子供の顔になる。」
(株式会社エドウイン)
たった34文字の中に仕事の魅力や企業カルチャーが詰まったお手本のような採用キャッチコピーです。
担当したコピーライターによるコラムも公開されています。
コラム『コピーライター養成講座 講師・卒業生が語る ある若手広告人の日常』(アドタイ)
「ブラック企業、dofに入社しないほうがいい10の理由。」
(株式会社dof)
『ブラック企業』『入社しないほうがいい理由』など、採用広告ではなかなか目にする機会のないワードが並ぶインパクトの大きい採用キャッチコピーです。
「どういうこと?」と興味を引いて、本文で疑問を解消していく構成が面白い採用広告です。
特設サイト『ブラック企業、dofに入社しないほうがいい10の理由。』
「地図に残る仕事。」
(大成建設株式会社)
建設業界で働く人の矜持を感じるとともに、建設業界全体への応援歌でもある力強いキャッチコピーです。
このコピー、実際に現場で働く社員が口にした言葉がきっかけで誕生したそうです。
実体験に勝るものはありません。
採用広告に悩んだら、社員の声を聞いてみるというのも有効な手段かもしれません。
まとめ

採用キャッチコピーを作成する際は、『自社の軸を明確にすること』と『競合他社とのバランスを念頭に置くこと』が重要です。
求職者が求める情報を、訴求内容がブレないようにまとめることで、欲しい人材に対して直接的にアプローチすることができます。
また、作成後は「訴求内容とキャッチコピーに矛盾がないか」「伝えたいメッセージが確実に伝わるか」を確認し、魅力的だと感じてもらえるように仕上げていきましょう。
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アイデムでは、キャッチコピーを含む原稿作成のポイントお伝えセミナーなどを不定期で実施しています。
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