試用期間とは、企業が本採用前に労働者の能力や適性などを見てから「正式に採用するかどうか」を決めるために設ける一定の期間のことです。企業はあらかじめ試用期間中の労働条件（期間、賃金額、本採用の可否の判断基準など）を規定し、労働者に通知する必要があります。
期間について、法の規定はありません。適性を知るための期間は業務内容によっても変わるので、妥当な範囲であれば自由に決めることができます。一般的に1カ月～6カ月までとすることが多いようです。
採用を見極める期間であることから、よく勘違いされるのが「試用期間中は簡単に解雇できるのではないか」ということです。試用期間中でも労働契約は成立しているため、自由に解雇できるわけではありません。通常の労働者の解雇と比べると、解雇事由の範囲は広くなりますが、解雇をする「客観的合理性」「社会的相当性」は必要です。「社風に合わない」「期待していた能力ではなかった」といったあいまいな理由は認められません。
今回は「試用期間」をテーマに、アイデム人と仕事研究所Webサイトで公開している関連コンテンツをご紹介します。サイトでは、人材育成やマネジメントのヒントになる読み物や人事労務関連の解説、企業の取材記事などを発信しています。
（コンテンツ内容は公開日時点の情報に基づいて作成しています）
第65回「試用期間なら最低賃金“未満”OKってホント！？」
＜マンガ・ワーママ人事課長キノコさん＞
（2023年9月5日公開）
2023年の最低賃金は、全国加重平均1,004円で初の1,000円超えです。引上額も43円と過去最高となりました。
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試用期間中でも簡単に解雇できるわけではない～B社事件～
＜判例に学ぶ労使トラブルの処方箋＞
（2022年5月31日公開）
【事案の概要】
原告は試用期間3カ月として被告会社（インプラント、手術用具等の製造販売が主な業務）に入社し、営業業務、その他事務作業に従事していました。なお、採用面接時、原告はパソコンの使用に精通していると述べており、被告会社は原告が「パソコン操作及び営業活動の経験と能力を有する」と判断して採用しました。
入社後、原告は、緊急を要する商品の発送を上司から頼まれたにもかかわらず、急を要しないパソコンの入力作業を止めず、依頼を受けてから30分程度たってから事務所を出発するといったことが3回程度ありました。また、パソコン内に入力済みの送信先に、作成済みの文書をアプリケーションソフトを使って送信する作業を期待されていましたが、指導を受けても満足に行うことができず、結局この業務は上司が行うことになりました。
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試用期間中はすぐ解雇できる？
＜マンガ・ワーママ人事課長キノコさん＞
（2018年5月23日公開）
初日に遅刻したアルバイトがいました。試用期間を理由に、解雇することはできるのでしょうか？
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【ご案内】採用担当者に必要な「採用・内定・入社・試用期間」に関する法知識
2022年1月27日に実施したオンライン研修を撮影・編集したものです。
採用選考で、応募者の職務経歴書に書かれている内容に虚偽がないかどうか、第三者に確認をとってもよいのでしょうか？
内定や採用の取り消しができるのは、どんな場合でしょうか？
試用期間中に、期待していた能力やスキルを満たしていないことが分かった場合、どうすればよいのでしょうか？
主に新卒採用において、採用から試用期間までに想定されるトラブルに関する法知識を分かりやすく解説します。
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