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コンピテンシーが注目されている理由とは?会社に導入するメリットやデメリットも解説

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仕事で高い業績をあげる人は、必ずしも高学歴で知能が高いとは限らず、共通した行動パターンを持っているといわれています。このような行動パターンは「コンピテンシー」といわれ、近年、人事評価にコンピテンシーの概念を導入する会社が増えてきています。

今回は、コンピテンシーの意味や導入の目的、メリット・デメリットなどについて解説していきます。

コンピテンシーの意味

ビジネスシーンで使われるコンピテンシーとは、仕事で高い業績や成果を上げる人に共通する特徴的な行動パターン(行動特性)を意味し、その行動につがる性格や動機、価値観といった目に見えない部分に重きを置いた概念です。

たとえば、会社のなかで常に高い業績を残している従業員や、効率的に仕事をこなす従業員がいるとします。このような従業員がどのように考え、行動に至ったのかを一般化し、マニュアル化することができれば、従業員の教育や人材採用に活かすことができ、会社の業績アップが期待できます。

また、近年は、成果主義を中心に人事評価をおこなう会社が増えていますが、コンピテンシーの概念を取り入れることで、目に見える成果にくわえて、目に見えない部分を評価することも可能になります。

コンピテンシーの5段階のレベル

コンピテンシーは、従業員の行動内容によって下記のような5段階のレベルに分類されます。

段階 分類 行動内容
レベル1 受動行動 上司などの指示に従い業務をおこなう、受動的な行動
レベル2 通常行動 最低限の業務をおこなう、一般的な従業員の行動
レベル3 能動行動 明確な目的に向かって自ら業務をおこなう、能動的な行動
レベル4 創造行動 独自の工夫やアイデアを取り入れて、状況を変化させられるような行動
レベル5 パラダイム転換行動 既成概念にとらわれない独創的な発想を通じて、周囲の状況を大きく変え、多くの人から賛同されるような行動

このように、コンピテンシーの段階を把握することで、従業員ごとの目標を定めたり、人事評価の参考にしたりすることができます。

コンピテンシーとスキル・知識の違い

スキルや知識とは、「プログラミングができる」や「簿記ができる」、「営業トークが上手い」などが該当し、その人が身につけた技能や能力のことを指します。そのため、スキルや知識だけでは成果を上げることができません。

一方、コンピテンシーは、スキルや知識を使って、成果を出すまでに至った考え方や特徴的な行動パターンを指します。つまり、身につけたスキルや知識を活用し、成果を上げるための能力、能動的に行動できる能力といい換えることができます。

コンピテンシーとコアコンピタンスの違い

コンピテンシーは、人の行動にフォーカスしたものですが、コアコンピタンスは、人ではなく、会社が持っている「他社にはない技術・特色」や「核となる力」を対象としたものです。

そもそも対象としているものが違いますが、コンピテンシーは「従業員が会社に対して成果をもたらすための力」、コアコンピタンスは「会社が顧客や社会に対して提供する力」と理解しておけばよいでしょう。

人事評価にコンピテンシーを導入する目的とは?

近年は、コンピテンシーの概念を人事評価に取り入れている会社が増えてきています。ここでは、人事評価にコンピテンシーを導入する目的について解説していきます。。

成果主義の正しい評価基準をおこなうため

ビジネス環境の変化に伴い、日本の人事評価は従来の年功序列から、成果主義へと切り替わってきています。成果主義による人事評価では、「目に見える成果」に重きが置かれますが、正確な評価をおこなうためには、目に見える成果だけでなく、成果につながる能力なども考える必要があります。

コンピテンシーを導入することによって、このような目に見えない能力を評価する基準が明確となるので、従業員の教育や成長に役立つことが期待されています。

会社の生産性を向上するため

ビジネス環境は日々変化しており、現代の激しい変化のなかで会社が生き残っていくためには、生産性の向上が必要不可欠です。コンピテンシーによって、高いパフォーマンスを見せる従業員の行動パターンを可視化して社内で共有できれば、会社の生産性を向上させることにつながります。

人事評価にコンピテンシーを導入するメリットとデメリット

コンピテンシーを活用する際は、メリットとデメリットを把握しておくことも大切です。ここでは、人事評価にコンピテンシーを導入するメリットとデメリットについて解説します。

コンピテンシー導入のメリット

人事評価にコンピテンシーを導入するためには、高いパフォーマンスを発揮している従業員にヒアリングをおこない、コンピテンシーのモデルとなる項目を作成することになります。

明確な項目を作成することによって、他の従業員は高いパフォーマンスを見せている従業員を客観的に把握することができるようになり、今まで目に見えなかった評価基準が明確になるため、従業員が評価を受け入れやすくなります。

その結果、従業員それぞれの成長につながり、会社全体の生産性向上が期待できるというメリットが考えられます。

コンピテンシー導入のデメリット

コンピテンシー導入のデメリットは、業種や職種によって求められる能力や成果が異なるため、コンピテンシーのモデルには一概に決まったテンプレートや型のようなものがなく、項目の設定に時間がかかることです。

コンピテンシーのモデルを作成するためには、複数の従業員にヒアリングをおこない、まとめる必要があります。そのため、人事担当者の負担が大きくなってしまう可能性があります。

また、ビジネス環境は時代とともに変化するため、コンピテンシーのモデルは、定期的に更新していかなければなりません。このような手間がかかるというデメリットがあります。

コンピテンシーを社内で活用できるのはどのようなときか?

ここでは、実際に社内でコンピテンシーを活用できる場面について紹介します。

従業員の人事評価の項目として取り入れるとき

先ほどから触れているとおり、最もコンピテンシーを活用できる場面が、人事評価です。人事評価にコンピテンシーを導入することによって、明確な評価基準ができ、平等な評価につながります。

従業員にとっては評価に正当性が感じられるため、納得して評価を受け入れることができ、自身の成長につなげることができます。

採用面接の基準、指標の1つとして使用するとき

コンピテンシーは、採用面接の際に指標の1つとして活用することも可能です。たとえば中途採用の場合だと、前職でどのような成果を上げ、なぜその行動に至ったのかをヒアリングすることで、自社への適正や受験者本人の本質を見抜くことに役立てることができるでしょう。

また、コンピテンシーを意識した質問マニュアルを事前に作成、共有しておくことで、面接官ごとの判断の偏りを軽減でき、スムーズな採用をおこなうことも可能になります。

コンピテンシーを正しく理解し、会社の生産性向上につなげましょう

コンピテンシーは、仕事で高いパフォーマンスを発揮する人に見られる、共通した特徴的な行動パターンのことを指します。コンピテンシーを人事評価に導入することで、従業員は素直に評価を受け入ることができ、自身の成長につなげることができるでしょう。

従業員の成長は、会社の生産性向上に必要不可欠な要素です。コンピテンシーを正しく理解し、人事評価に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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