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ロジカルシンキングとは?基本的な考え方から手法、鍛え方まで徹底解説

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ロジカルシンキングを学ぶことで、物事の本質や問題点の理解が速くなり、相手が納得できる提案やプレゼンテーションが可能になります。しかし、ロジカルシンキングは手法が複数あり、全体をすぐに理解するのは難しいです。

今回は、ロジカルシンキングとはどのような手法なのか、基本的な考え方から実際の手法、鍛え方などについてご紹介します。

ロジカルシンキングの基本的な考え方

ロジカルシンキングとは、情報や問題を体系的に整理し筋道を立て、矛盾なく考える思考法です。ロジカルが「論理的な」、シンキングが「思考法」を指しており、日本語で論理的思考法と訳します。

ロジカルシンキングの基本の推論法は3つあります。

演繹(えんえき)法

演繹法は確定している情報や大きな枠組みの原則から、個別の物事について考える推論方法です。いわゆる三段論法で矛盾の無い結論を導きます。具体的には次のように推論をします。

  1. 鳥は卵を産む…一般論(大前提)
  2. 鶏は鳥…観察事項(小前提)
  3. だから鶏は卵を産む…結論

上記の場合、「鳥は卵を産む」、「鶏は鳥」はどちらも正しい情報になります。よって、導き出される「だから鶏は卵を産む」という結論も正しくなります。

演繹法は段階ごとに情報や問題を整理するため、最後に説得力のある結論を導きます。ただし、一般論や観察事項に誤りがある、論理が飛躍してしまうと結論が間違ってしまいます。

帰納法

帰納法は共通点や個別の事柄から結論を考える手法です。主に統計で用いられる手法で、ビジネスの世界ではマーケティングリサーチやビッグデータなどに用いられます。具体的には次のように推論をします。

  1. スーパーで卵が値上がりした
  2. コンビニで卵入りサンドイッチが値上がりした
  3. 弁当屋の卵焼きが値上がりした
  4. 上記の事象から「卵の価格が上がっている」と結論

上記の場合、異なる3つの事象から「卵」と「価格」という共通点を探し出し、「卵の価格が上がっている」と結論を導きます。

複数の事象から共通点を導き出すため、情報の偏りが少なくなり、導き出した結論に説得力が増します。ただし、事象に誤りがある、共通点を導き出す過程で飛躍してしまうと矛盾した結論を導く可能性があります。

弁証法

弁証法は対立する事象をすり合わせることによって、矛盾を解決する結論を考える推論方法です。具体的には次のように推論をします。

  1. 車を運転したい
  2. 車を動かす燃料は環境に悪い
  3. 環境に優しい燃料で車を運転する

上記の場合、「車を運転したい」と「車を動かす燃料は環境に悪い」が対立する意見になり、「環境に優しい燃料で車を運転する」で矛盾の無い結論へと導いています。

弁証法は1つ目の意見に対抗する2つ目の意見を提示し、相反する2つの意見をくみ取りつつ、良い3つ目の意見として結論に導くのが重要です。

なお、弁証法は2つの事象の妥協点を見つけるための推論方法ではありません。上記の場合、「車の運転時間を制限する」、「1ヶ月で使用できる燃料の量を決める」といった、2つの事象が譲歩するような結論だと弁証法とはいえません。

ロジカルシンキングの具体的な手法

演繹法、帰納法、弁証法はロジカルシンキングの基本となる推論方法で、実際の手法は「MECE」、「仮説思考」、「ゼロベース思考」、「ピラミッドストラクチャー」の4つになります。それぞれ、順番に解説します。

MECE(ミーシー)

MECEとは、「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の略称で、「モレなく、ダブりなく」という意味です。

情報や問題を考える際に、単一で考えるとモレが発生する場合があります。そこで、各要素を細かく分類して「各要素が重複せず、なおかつ要素にモレがない状態」にすることで、情報や問題の全体像を明確にすることができます。

たとえば、「飲料水の購買ターゲット」というテーマがあったとします。単純に飲料水の購買ターゲットを分類すると、各要素は次になります。

  • 子供向け
  • 大人向け
  • 男性向け
  • 女性向け

一見すると各要素を細かく分類しているように見えますが、実際は大人向けのなかに男性・女性が混じり、男性向けのなかにも子供・大人が重複しており、MECEの正しい手法ではありません。

MECEのルールに則り「飲料水の購買ターゲット」を分類すると次のようになります。

  • 男性・子供向け
  • 男性・大人向け
  • 女性・子供向け
  • 女性・大人向け

このように分類することで、どのターゲットに向けた飲料水を販売するか正確に検討することが可能です。つまり、MECEは問題が大きくて複雑な場合は論理的に小さくし、よりシンプルな形に組み分ける手法になります。

仮説思考

仮説思考とは、自分なりの仮説(仮の答え)を定めてから、逆算するように仮説の根拠を考える手法で、逆算思考とも呼ばれています。具体的には次のように思考します。

  1. 問題点の仮説を立てる
  2. 問題点の仮説を検証する
  3. 問題点を解消する仮説を立てる

たとえば、自社商品の売れ行きが悪いとします。この場合、考えられる仮説は次になります。

  • 他社の商品よりも価格が高い
  • 知名度が低い
  • 購入販路が少ない

これらの仮説が正しいかどうかを検証し、問題解決の仮説を立てるのが仮説思考になります。

仮説思考は、本来なら問題点を発見するのに必要な検証作業を省けるため、作業の効率を上げられます。一方で、問題点の仮説というのはあくまでも仮説にすぎないため、間違っている場合もあります。

仮説思考は仮の問題点を立てることで、作業スピードなどを向上させる手法であって、仮説が正しいことを証明するための手法ではないことに注意しましょう。

ゼロベース思考

ゼロベース思考とは、既存の枠組みに囚われず、文字通りゼロの状態から問題を分析し解決策を考える手法です。この「枠組み」とは、ルールや習慣、経緯、事例、前例などが該当します。具体的には次のように思考します。

  1. テーマに対して既存の経験や知識を書き出す
  2. 書き出した内容を反対・否定した内容を書き出す
  3. 2番目に出した内容に基づいて結論を導く

ゼロベース思考のポイントは、「これまでの固定観念にとらわれない」ことです。

たとえば、ある大手コーヒーショップチェーンは「コーヒー1杯の値段は500円前後」という固定観念を捨てて、消費者にとって負担にならない価格はいくらなのか、というゼロの状態から問題を分析したことで、低価格コーヒーというアイディアを導き出しました。

このように、会社・メーカー側の視点ではなく、消費者・ユーザー側の視点で立つというのもゼロベース思考において役立ちます。

ピラミッドストラクチャー

ピラミッドストラクチャーとは、結論と根拠をピラミッド状に積み重ねて図式化する手法です。具体的には次のように思考します。

  1. テーマに対する仮説を設定する
  2. 仮説が正しいとする根拠を設定する
  3. 上記の根拠を正しいとする根拠を設定する

ある仮説(結論)が論理的に正しいと証明するためには複数の根拠を提示する必要があり、その根拠が正しいと証明するには別の根拠が必要で、という流れを繰り返すため、自然と結論と根拠がピラミッド構造となります。

ロジカルシンキングのメリット

ロジカルシンキングのメリットは、ロジカルシンキングを繰り返し実践することで的確に問題解決が可能となり、高い分析力を身に付けて物事の本質を理解できるようになることです。

また、ロジカルシンキングで考えを整理することで説得力が増すため、相手が納得できる提案ができるようになります。ほかにも、他者の話や提案を聞く力や、他人とコミュニケーションを取る話す力の向上が見込めます。

ロジカルシンキングの注意点

ロジカルシンキングの注意点は、論理は正しくても、相手が理解できなかったときは結論の伝達が上手くいかないことです。

また、ロジカルシンキングは問題点や事象を表面的に分析する手法のため、説明だけをしても人が納得しない、動かないといったケースもあります。他者の情緒や感情も同時に理解する必要があります。

ほかにも、論理的に正しい方法は1つですが、問題解決の答えは1つではありません。ロジカルシンキングで導き出した解決方法にこだわらないように注意しましょう。

他の思考法との違い

ロジカルシンキングに似た用語として、クリティカルシンキングとラテラルシンキングがあります。意味が異なるため、混同しないようにしましょう。

クリティカルシンキング

クリティカルシンキングは批判的思考と呼ばれており、自分の考えや意見に対して間違っているかもしれないという観点を持たせる手法です。

この場合の「批判」というのは否定を意味している訳ではなく、「なぜ・どうして・本当なのか?」という疑問の意味合いが強いです。

ロジカルシンキングが物事を要素ごとに分解して考えるのに対して、クリティカルシンキングは考えが正しいのか検証して本質を見極める手法になります。

ラテラルシンキング

ラテラルシンキングとは、問題解決のために固定観念や既存の論理に囚われず、物事を多角的に考察する手法です。問題を解決するための既成観念や固定観念を取り払うことから、水平思考とも呼びます。

ロジカルシンキングは既成観念を基に筋道を立てて考えるため、論理的には結論が1つになります。一方で、ラテラルシンキングは問題解決のために複数の視点を用いるため、結論は複数あります。

ロジカルシンキングの能力を鍛える方法

ロジカルシンキングの能力を鍛える方法は大きく分けて2つあります 。

  • ロジカルシンキングに関する研修で学ぶ
  • ロジカルシンキングに関して自分で学ぶ

ロジカルシンキングは会社の業務などに役立つ推論方法のため、セミナーや研修が実施されています。基礎的な考え方からグループワークまで受講できるため、ロジカルシンキングの能力を鍛える方法としては最適です。

時間や予算の関係で研修が難しいなら、ロジカルシンキングに関する書籍や、意思決定・問題解決をテーマにした書籍などを読んで自分で学びましょう。

研修や書籍である程度学んだら、次は実践です。ニュースで取り上げられた経済問題や社会問題をテーマにして、ロジカルシンキングのトレーニングをしてみましょう。

また、会社の資料作りや会議で発言する際はロジカルシンキングで出た結論を先に話す、仮説を立ててから考えるようにするといった取り組みをおこなってみましょう。

ロジカルシンキングは論理的な思考能力が伸ばせる手法

ロジカルシンキングは問題解決のために筋道を立て、矛盾なく考える思考法で、鍛えることで素早く思考する能力などが身に付きます。

推論方法は演繹法、帰納法、弁証法の3つで、これらを基にMECEや仮説思考、ゼロベース思考、ピラミッドストラクチャーなどの手法があります。

ロジカルシンキングを身に付ければ、的確に問題解決ができるようになり、高い分析力を身に付けることで、物事の本質を理解できるようになるというメリットがあります。

しかし、ロジカルシンキングでたどり着いた結論は、問題を解決するためのたった1つの答えという訳ではないことを理解しましょう。

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