今日の日本の労働力不足は深刻です。日本の生産年齢人口は今から20年以上前の1995年をピークに、今日まで1,000万人以上も減少しています。
そこで、女性やシニアと並び、今後の活躍を期待されているのが外国人材です。今回はその「外国人雇用の基礎知識」を解説していきます。
在留資格とは
在留資格とは、外国人がどのような理由で日本への滞在を認められているのか?を示す資格のことです。
日本に在留する外国人は“全員”何かしらの在留資格を得ています。そうでない場合は不法滞在となり、その外国人材を採用してしまえば不法就労になってしまいます。
そのため外国人を雇用するためには「在留資格」が重要になり、企業はそれを把握しておく必要があるのです。
在留資格を判断するには?
日本に3ヶ月を超えて在留する外国人(中長期滞在者)には在留カードが交付されています。
外国人の応募者が来たら、まずはこの在留カードを見せてもらい、何の在留資格でいつまで日本に在留できるのか?を必ずチェックしてください。
その在留資格は就労が認められているのか?も大事なポイントです。
在留資格は29種類
それでは、日本での滞在が認められる在留資格にはどんな種類があるのでしょうか?
就労が可能な在留資格19種類
外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、高度専門職、経営・管理、
法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、
企業内転勤、介護、興行、技能、技能実習、特定技能
就労ができない在留資格5種類
文化活動、短期滞在、留学、研修、家族滞在
その他の在留資格5種類
特定活動、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者
まず就労が可能な在留資格19種類のうち、国内企業に就職している外国人の多くが取得しているのは「技術・人文知識・国際業務」です。
エンジニアや通訳・翻訳業務などがこれに当たります。雇用される外国人材が「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得する際に必要となる条件は、
①学位を取得していること
②専門的な技術や知識を持ち、そのスキルを必要とする仕事に就くことです。
<例①>大学の工学部を卒業した外国人材が技術系エンジニアの仕事をする
<例②> 専門学校の情報システム学科を卒業した外国人材がITエンジニアの仕事をする
なお、就労が可能な在留資格19種類のうち、技能実習と特定技能を除いた17種類に該当する方は高度外国人材とも呼ばれます。
「技能実習」は国の制度に基づいて外国人材を受け入れる必要があり、単純労働の仕事が中心です。
「特定技能」は2019年4月に新設され、これまで就労が認められなかった分野を含め、対象となる14分野で外国人雇用が認められるようになりました。
また、就労ができない在留資格5種類のうち「留学」や「家族滞在」の場合は本人が地方出入国在留管理局にて資格外活動許可を得ることで、週28時間までアルバイト勤務することが可能になります。
コンビニやファストフード店などでよく見かける外国人材の多くはこれに当たります。
その他の在留資格5種類のうち「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」は身分に基づく在留資格と呼ばれ、
日本人と同様に就労分野や就労時間に制限はありません。
在留資格の審査の仕組み
在留資格を得るためには、出入国在留管理庁による審査が必要です。審査はすべて書類で行われます。受け入れ企業と外国人本人とそれぞれに必要な提出書類があります。
例として「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を得るためには、以下が求められます。
受け入れ企業側 | 外国人本人側 |
---|---|
①在留資格の申請書 ②雇用理由書 ③企業案内 ④法人登記簿謄本 ⑤直近の決算文書 ⑥内定通知書のコピー ⑦労働条件通知書のコピー など |
①履歴書 ②卒業証明書 ③成績証明書 ④パスポートのコピー ⑤在留カードのコピー ⑥証明写真(4×3cm) など |
外国人を雇用するためには
外国人雇用と一言で言っても雇用形態や職種などによって様々です。
「自社の業種は何か?」「採用したい職種は何か?」「雇用形態はどうするか?」などによって外国人を雇用できるかできないかが変わってきます。
外国人雇用(外国人材紹介)をご検討なら、まずは「アイデムグローバル」にご相談ください。独自のデータベースにはベトナム・ミャンマーを中心とした外国人材が延べ10,000人以上登録されています。
自社がどういった制度で外国人を雇用できるのか?というご質問にもお応えしております。また、言葉の問題による齟齬が無いよう、専任の外国人スタッフが面接時の通訳から入社後のサポートまで行っていますのでフォロー体制も万全です。
まとめ
日本は人口減少社会に突入しています。高齢化率の高さにも対策を考えていかなければなりません。
今後、生産性の向上と労働力の確保は企業経営において避けては通れない道です。生産性の向上はAIや自動化などがトレンドですが、労働力の確保には外国人材の活用がますます進むことが予想されます。
少しずつでも外国人採用のノウハウを蓄積していくことが大切ですね。
髙木 翔平 -たかぎしょうへい-
91年生まれ。神奈川県出身。都内在住。 青山学院大学を卒業後、2014年株式会社アイデムへ新卒入社 現在は外国人採用のセールスに従事し、受け入れに係る支援まで行っている。